「燃える男」「ミスタープロ野球」と呼ばれ、国民的な人気を誇ったプロ野球・巨人の名三塁手で、巨人監督やアテネ・オリンピック日本代表監督を務めた長嶋茂雄（ながしま・しげお）さんが3日午前6時39分、肺炎のため死去した。
読売巨人軍などが同日、発表した。89歳だった。葬儀は近親者のみで営む。お別れの会を後日開く。
千葉県出身。佐倉一高（現佐倉高）から立教大に進学。大学通算8本塁打の東京六大学リーグ新記録（当時）を作り、1958年に巨人に入団した。背番号は「3」。1年目に本塁打、打点の2冠を獲得し、新人王に選ばれた。
首位打者を6回、本塁打王を2回、打点王を5回獲得したほか、昭和天皇が一度だけプロ野球を観戦した59年6月の阪神戦（東京・後楽園球場）で、阪神のエース村山実投手（故人）から放った劇的なサヨナラ本塁打や、日本シリーズでの4度の最優秀選手（MVP）など、大舞台で抜群の強さを見せ、野球ファンの枠を超えて絶大な人気を誇った。王貞治・現ソフトバンク球団会長との「ONコンビ」で、65年から9年連続で巨人を日本一（V9）に導くなど、チームの黄金期を支えた。
74年に現役を退き、翌75年に巨人監督に就任。76、77年とリーグ連覇したものの日本一にはなれず、80年のシーズン終了後に事実上の解任でチームを離れた。12年間の「浪人」後、93年に巨人監督に復帰。94、96年と2000年にリーグ優勝し、94年と00年には日本一も達成した。00年の日本シリーズは王監督率いるダイエー（現ソフトバンク）との対戦で「ON決戦」として話題を呼んだ。巨人監督としての通算在籍年数は原辰徳前監督の17年に次ぐ、歴代2位の15年。88年に野球殿堂入りを果たした。
「もっともっと良く」 白球を追い続けた「ミスタープロ野球」の人生
国民的な人気を誇ったプロ野球・巨人の名三塁手で、巨人監督やアテネ・オリンピック日本代表監督を務めた長嶋茂雄（ながしま・しげお）さんが3日午前6時39分、肺炎のため死去した。89歳だった。
「何とも言えない気持ちでいっぱい。皆さんのおかげでもらったということは非常にうれしい気持ちです」
緑のジャケットを羽織った長嶋さんが、まばゆいフラッシュを浴びながら、柔らかな笑みを浮かべた。
2021年秋、野球界で初の文化勲章を受章。プロ野球を引っ張り、国民的スポーツへと押し上げた功績がたたえられた。
「一生懸命スポーツをやっている人たちがいる。もっともっと良い方向に持っていければ」
晩年にさしかかっても、…
